それって同じなの?違うの?
今の私も過去の私も存在としては同じ「私」だけど、姿形は異なる。それって同じなの?違うの?
大阪中之島美術館の「没後30年 木下佳通代」で目にした彼女の作品は、普段の生活では見落としているけど、言われてみると「たしかに!」と思わずにはいられない問いで満ちていた。
特に印象に残ったのが、異なる時期に撮影された作家の幼少期のポートレートをコラージュした作品。哲学的な問いに対して、フォトコラージュの手法で迫れるなんて!と、何度も作品の前を行ったり来たりしちゃうくらいに。
同様の作品に、同じ壁を撮影しながら片方には丸が描かれているものもあった。壁という存在は同じなのに、違いがあることから別のものとして認識される。
「存在とは何か」を問い続けた美術家、木下佳通代。それって同じなの?違うの?と、彼女と一緒にあれこれ考えられたら面白そうだなぁ。
*
「没後30年 木下佳通代」展は大阪中之島美術館で2024年8月18日まで。その後、10月12日からは埼玉県立近代美術館でも開催予定。